ページのトップへ

サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

日本で唯一の工業系ミッションスクール


イエスのカリタス修道女会 白河修道院(福島県白河市)

 イエスのカリタス修道女会が福島県白河市に来て9年。当時の仙台教区長、溝部脩司教の要請を受けて、イエズス孝女会が担当していた幼稚園を引き継ぎました。サレジオ家族としては仙台教区(青森、岩手、宮城、福島)にある唯一の支部で、しかも日本で最北。東日本大震災の3か月後、今もまだ放射能汚染が懸念されている白河を訪ねました。

園児が親を引っ張って


 白河市にあるカトリック施設は、隣接する教会とこのカトリック幼稚園と修道院のみ。市民がカトリックに触れられる貴重な宣教の場となっています。
 「園児に『マリアさまの像の前で挨拶をしましょう』と教えますが、最初の頃は園児たちだけが挨拶していても、次第に今度は園児が『ママもだよ』って言って引っ張って来て、親子で一緒に挨拶しています。そういう姿を見るとすごくうれしい気持ちになりますよね」と山崎園長(院長)シスター。子どもにまず働きかけ、次に子ども自身が家族に宣教していくのは、いかにもドン・ボスコ的です。

みちのくの地で


 修道院のシスターは全部で3人の小所帯。山下シスターはこの4月からこの修道院のメンバーになりました。幼稚園では事務の手伝い。原発事故のことで福島からどんどん人が脱出している状況で白河市民となった貴重な存在です。
 3人は教会でも典礼の奉仕をし、積極的に信徒と交わりながらこの地で地道に宣教を続けています。
 「東北自動車道で福島に入るとき『これよりみちのく』とありますよね。道の奥か、と印象深かったですね(笑)。でもやはり、この時にこの地にいるということの使命を感じます」(山崎シスター)

大震災の3月11日


 その日、幼稚園は午前保育と父母の会総会のため、ほとんどの園児が帰った後で、10数人の預かり保育の園児だけがいました。突然の激しい揺れ。修道院の副院長で炊事担当の大山シスターは「横揺れで2階の修道院がそのまま地上階の駐車場にある幼稚園バスの上に落っこちるかと思うほどの揺れでした」と話します。
 電気はすぐ復旧しましたが、修道院と幼稚園も10日間くらい断水。余震も止まずしばらく休園を余儀なくされました。
 一番残念だったことは、白河市内の葉ノ木平で、園の年長と年中の2人の兄妹が母親とともに土砂崩れに巻き込まれて亡くなったこと。地震の揺れで住宅地に山が覆い被さり捜索は難航。1週間後に遺体で発見されました。
 「亡くなった年長のりゅうき君は、卒園感謝式で代表として感謝の手紙を読む予定だったんです。リハーサルも立派にやって卒園式を待つばかりでした」と山崎シスター。そのときに読むはずだった手紙が残っています。
 「今読むと、残された私たち、今生かされている私たちみんなに対するメッセージとして受け取れるように思います。『みんなが笑顔になって欲しい』というりゅうき君の願いを感じます」

長引く影響のなかで「共にいる」


 大震災から3か月たった今も、原発事故の影響で地域は厳しい状況にあります。園児数は去年まで200名を越えていましたが、現在172名。もともと減ってきてはいましたが、放射能への不安から県外避難者が増えているといいます。
 「実家が他県にある人は避難されていてなかなか戻ってきません。お子さんが小さいところは、ご主人だけが仕事があるから1人残されてというケースを聞きます」
 震災の傷は大きいものでしたが、嬉しかったことも。「全国のイエスのカリタス会の姉妹やたくさんの方から、お見舞いやお祈りの電話がかかってきて大変励まされました。信者さんや職員からも、水やガソリンなどを分けていただいて、かなり助けられました」
 震災の痛手、放射能と余震への不安。その中で3人のシスターたちは「共にいる」火を静かに灯し続けています。

卒園式で読むはずだった手紙


 かみさま ぼくはうさぎバッチからようちえんにきました。まだちいさかったので ままとはなれたくなくて ないていました。
 ようちえんでいちばんのおもいでは さいごのうんどうかいのリレーでした。かみさまがみんなに がんばるこころをくださったから ぼくのBチームは はじめて1いになれました。そしておともだちのAチームもかつことができ とてもうれしかったです。
 だけど かなしいこともありました。それはおともだちとなんかいもけんかをしてしまったことです。そんなときは いつもかみさまが「やさしいこころでね」と きづかせてくださったから また なかなおりをして あそぶことができました。かみさま いつも ありがとうございます。
 かみさまがつくってくれた ぼくたちにんげんには いろいろなひとがいることに きづきました。いえがなくてこまっているひと、びょうきのひと。ぼくは そのひとたちのために いえをつくってあげるだいくさんや びょうきをなおすかんごしさんになりたいと思っています。どうぞ これからもたくさんのひとが えがおになるようにみまもっていてください。

ほしぐみ
いわさか りゅうき」

イエスのカリタス修道女会

白河修道院
福島県白河市道場小路88
http://www.m-caritas.jp
http://www.m-caritas.jp/youchien/16/welcome.html
(ドン・ボスコの風No.7 2011年7月掲載)